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町田康のエッセイ【書評一覧】 > 耳そぎ饅頭
「今度遊ぼうよ」などといわれては反吐を吐きそうな不快さを感じ、ふざけるな、飯喰うな、とあらがってきた町田康(ちなみにこの人、伝説のパンクス町田町蔵だからね。INUで「飯喰うな」の。念のため)。
そのため町田は3年間ほど、外に出ることをせず、ひねもす時代劇ばかりみて過ごしていたという。
しかしあるとき、そんな自分が世間からみれば「偏屈、変わり者、変人、暗い奴。妙な奴、ださい奴、くそ野郎、サイテーの豚野郎」なのではないかと気づき、さらには自分のCDが売れないのは自分がそんな偏屈な人間だからだと確信する。
そんなわけでCDを売るために、カラオケで歌って踊る、温泉へいく、ミュージカルを観る、トップレスバーへいく、といった苦行にも似た遊びに繰り出すことに。
町田康の独特な苦悩に七転八倒する姿が可笑しい一冊。
この人の場合、小説よりエッセイのほうが読みやすい。どちらも世界観は同じなんだけど。
なお、図書館や乗り物では読むのは要注意。
なぜかそういう場所で読んだほうがツボにはまるのだ、町田康の本は。
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