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中島らものエッセイ【書評一覧】 > こらっ
中島らもが世のおかしなことを「こらっ」としかる。「テレビ」とか「日本のテレビの低俗さを嘲笑したアメリカのメディア」とか。
こと、「言葉の圧殺を叱る」が好きだ。
この「言葉の圧殺を叱る」では放送禁止用語の妙が冗談まじりで叱られている。しかし最後の一文を見ると、思わず何かドキリとするような真剣さを感じる。
「問題は言葉の響きの中になど存在しない。それを使う人間の意識の在り方にあるのだ。」
実はらもさんはこの件について本気で怒っていたらしく、この問題はことあるごとに言及されている。
特に亡くなる直前に書き残され、死後に発売されたエッセイ集、『何がおかしい』での放送禁止用語批判は痛烈。
「いったいいつまで「表現の不自由」に隷属せねばならないのか。おれは闘うが、それは気の遠くなるほど根気のいるファイトだ。」
そんな中島らもの信念の片鱗が、この『こらっ』にも垣間見える。
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