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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: ゼブラーマン
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: 脚本
笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆★★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
宮藤官九郎のドラマ脚本とか
【名言・みどころ】
バカ、安い風俗は都会の縮図なんだよ

【書評・あらすじ】

 2010年、八千代市では1万頭のアゴヒゲアザラシが多摩川を上ってくるなど、謎の事件が多発していた。
 主人公新市は、八千代市に暮らすしがない小学校教師だ。小学校3年生の担任をしているが、子どもたちを叱ることさえできないほどの小心者で、家族からは見放され、妻は浮気、娘は無断外泊、息子は暗い教師の息子ということで、小学校でいじめられている。そんな新市の唯一の慰みは、昔わずかな期間のみ放送された戦隊ヒーロー「ゼブラーマン」の衣装を作り、一人それを着ては部屋で楽しむことだった。このごろは部屋の中だけでは満足できなくなり、衣装のまま近所の自販機までジュースを買いに行ってはドキドキするようなことをしている。
 ある夜、新市がゼブラーマンの衣装を着て思い切って街を徘徊しているとき、彼は偶然暴漢と遭遇する。そのころ市で話題となっていた、蟹の仮面をかぶった殺人鬼だった。その暴漢と会ったとき、新市は衣装の影響なのかゼブラーマンの力を発揮し、その蟹の暴漢を退治することに成功する。そして倒された蟹の仮面は、緑色の血を流して絶命する。どうも最近の謎の事件は、地球外からの力が影響しているようだ。
 かくして新市は正義のヒーロー、ゼブラーマンとして覚醒し、八千代市の平和のために戦い始めるのだった。

 2004年、哀川翔映画主演100作品目を記念して製作された映画の原作となる脚本。本書に掲載された哀川と宮藤の対談によると、哀川はほとんどの作品がR指定であるため、100作品目は子どもたちにも見に来いよと言える作品にしたかったという。また、宮藤に脚本の依頼する際には、人気作家であるためなかなか捕まえられないと踏み、官製はがきでじきじきに依頼したのだとか。
 クドカンにしてはパンチのあるギャグは少なかったものの、ストーリーのテンポはよかった。
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作品名: 七人の恋人
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: コント脚本
笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
宮藤官九郎のドラマ脚本とか
【名言・みどころ】
と、日替わりで面白すぎないフリートーク。
その間に三宅は、紙袋からプロテクターとかベルトとか武器とかを取り出して、あーでもないこーでもないと付けたり外したりして、最終的にユンケルを飲んで、最悪のタイミングで、
三宅 「ほとんど三宅マン!」

【書評・あらすじ】

 宮藤官九郎による舞台脚本。 2005年に東京と大阪で公演された舞台らしく、阿部サダヲ、三宅弘城、小路勇介、星野源(ライフ出演中、シングル「SUN」がヒット)、尾美としのり(あまちゃんのパパ役)、田辺誠一、宮藤官九郎ら7名の俳優によって演じられたもののようだ。なおその舞台は物語というものはなく、7本のコントによって構成されている。

 なんだかんだクドカンも「大人計画」の一員なわけで、本業の舞台となるとやはり大人計画っぽいシュールさは出てしまっている。いずれのコントもストーリーらしいストーリーはなく、ギャグをやるための物語といったものだった。そのため評価として一般ウケはあまりしないかなといった感じだが、笑える度は久々に高めに。
 さて、上述したとおり、本書には7本のコント脚本が掲載されているわけだけど、笑える本的には「ほとんど×三宅マン」がよかった。

ほとんど×三宅マン
 明日提出の夏休みの宿題が終わらず、番町に呼び出され、母親にエロ画像を見られたテツロウ(阿部サダヲ)は三宅マンに助けを求める。しかし三宅マンは正しくは「ほとんど三宅マン」であり、「要するに5%だけヒーロー的な要素が混じった三宅弘城なわけ!」なのであった。
 かくしてテツロウ君をなに1つ救えないほとんど三宅マンは、その代わりに隣町の本屋へテツロウのためにエロ本を買いに行くことになる。しかしその先で待ち受ける本屋の店主は鬼畜性獣ゲヒンスペイシーなのであった。
 はたしてほとんど三宅マンは5%のヒーローっぽさを出すことができるのか!?
 ほとんどがんばれ、三宅マン!ほとんど負けるな、三宅マン!

 と、このようにこの脚本にストーリー性はほとんどないことがよくわかってもらえただろう。本書で一番まし…もとい、よかったと思われる「ほとんど×三宅マン」でさえこの調子なのだ。

 しかしさすがクドカン、ギャグはかなりよかった。
 特にト書き(脚本に記される演者への指示文)が秀逸。
 例えばほとんど三宅マンの変身シーンで、時間がかかる三宅マンの変身をつなぐため、ト書きは三宅に『フリートークでつないでください』と阿部サダヲへ向けてカンペを出すよう指示する。
 それを受け、テツロウには「ハイっ!ということでここは下北沢なんですけど昔はこのへんは田んぼだったらしいですね」なんて台詞が当てられているのだけど、この台詞は話題の出だしが書かれているだけなのだ。
 そして脚本はこの記事の冒頭「名言・みどころ」に引用した箇所につながる。
 脚本のト書きで「面白すぎないフリートーク」という指示も笑本的にかなり危険だけど、この脚本受け取った阿部サダヲ焦っただろうなとか、ライブではどんな面白すぎないフリートークをしたんかな、など想像するだけでもニヤニヤしてしまう。

 わざわざ舞台を本で読むのだから、舞台で楽しめる台詞だけでなく、このようにト書きを楽しむのも一興かと思う。

追記:なお、2015年7月現在であればyoutubeで舞台が確認できる。
ほとんど三宅マン01 / ほとんど三宅マン02 / ほとんど三宅マン03
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