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浅田次郎のエッセイ【書評一覧】 > ひとは情熱がなければ生きていけない
作品名: ひとは情熱がなければ生きていけない 作家名: 浅田次郎 ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆★★★★ ス:☆☆☆☆☆☆★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 浅田次郎その他のエッセイ |
エッセイ集『勇気凛凛ルリの色』シリーズの一つ。『勇気凛々~』では、自衛隊入隊やバブルでの商売成功時代など、大人になってからのことが中心に書かれていた感があるが、この『ひとは~』では、幼少時代や両親・家族について多く語られていた。
祖母に連れられて行った映画、裕福な家庭での思い出、一家離散(!)など。
ところで、この人の書くことはいちいちアツい。
芸術について:「神々の造り給うた、人間の営みを含む天然のありようを、人間の力で再現しようとする試み」
:名文について「いい文章はわかりやすい。古今東西、名文といわれるものにわかりづらい文章など、ひとつもない」
人生について:「人間は情熱だけで存外生きてゆける」
など、適当にページを開いてみただけで、必ずといっていいほど名言に当たる。そしてまたそれがいちいち説得力があるのだ。
浅田次郎の名言については名言集にいくつか掲載している。気になる人はどうぞ。
なお、エッセイのほかに、出身中学と自衛隊での講演が収録されている。中学校の講演で浅田次郎の話が聞けるなんて、うらやましい話だ。
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浅田次郎のエッセイ【書評一覧】 > 勇気凛凛ルリの色
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1994年から1998年にかけて「週刊現代」に連載されていた浅田次郎の人気エッセイシリーズ『勇気凛々ルリの色』の第一巻。『きんぴか』や『プリズンホテル』など、笑って泣けてしかもバツグンに面白い作品を書く作家浅田次郎の自伝的要素が強いエッセイとなっている。
ところできんぴかシリーズの主役の一人に「軍曹」という男がいる。この男は自衛隊あがりで脳みその中まで筋肉でできている。よくいえば実直、ありのままをいえば単細胞の筋肉馬鹿といった感じで、きんぴかに笑いの彩りを加えているのだ。僕はてっきりこのキャラクターを完全に浅田次郎の創作だろうと思っていた。現実にこんなめちゃくちゃなやつがいるわけがない、と。
しかしこのエッセイを読んで、どうも彼にモデルがいるらしいことが明らかとなった。というよりもはっきりいえば、軍曹はどうみても浅田次郎本人だったのだ。
自伝とはおもえないほど、それはもう見ごたえのある自伝だった。
全体の印象としては、強くて優しい人からあふれ出たような名言が心に残る。特にあとがきに記された言葉が好きだ。
「笑いこそが人間をあらゆる苦悩から救い、苦境から立ち上がらせる勇気のみなもとであると、私は信じている」
中島らもの言葉に「ギリギリまで苦痛に苛まれているとき、人を救うのはユーモアである」というのがあるが、実はこれと同じことをいっているようだ。
路線としては逆を生きた二人なのに、しかしよく似ている。
浅田次郎と中島らも、この二人の書くエッセイは、よく似ている気がする。
なお、このエッセイの同シリーズとしては2冊目の『四十肩と恋愛』、最終巻の『満天の星』、それから復刻版(?)の『ひとは情熱がなければ生きていけない』(文庫化の際に「勇気凛々」シリーズに加えられる)などがある。
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