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万城目学の小説【書評一覧】 > ホルモー六景
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京都の4大学の間で1000年の間競われてきた、謎の伝統競技<ホルモー>。
秘密裏に行われてきたため人に知られてはいないが、競技者にしか見えない小鬼を操り、合戦をするというのがその競技の趣旨だった。
その記念すべき第500代代表に選ばれた若者たちの珍妙な青春を描いたのが、万城目学の代表作である前作の『鴨川ホルモー』だ。
さて、この短編集は、そんな『鴨川ホルモー』のスピンオフ短編集に当たる。
京都産業大学玄武組の猛者、二人静と呼ばれる定子と彰子の名コンビの馴れ初めから決闘までを描いた「鴨川(小)ホルモー」、京大青竜会ヘルメットヘアーの楠木ふみのバイト先でのできごとを描いた「ローマ風の休日」、立命館白虎隊5ヶ月前に敗北を喫した泣き虫の細川珠美に訪れる<罰>を描いた「長持の恋」など6篇。
いずれも<ホルモー>にちなみながら、どこかほのかに恋模様が描かれており、『鴨川ホルモー』を読んでいなくても普通にラブコメとしても楽しめる。
スピンオフなので、『鴨川ホルモー』の続編としてストーリーが進展するというよりは、『鴨川ホルモー』の登場人物たち、ならびに<ホルモー>にまつわるストーリーが、6篇の短編として描かれている。
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万城目学の小説【書評一覧】 > 鹿男あをによし
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久しぶりに万城目学を読んだった。万城目学読んだったで。
って、いっとくけど上記「万城目学」は<Ctrl+V>で出しているから。いわゆるコピーアンドペーストってやつだ。
だいたいにしていちいち「まん・しろ・め・がく」を変換してこの名前出す気にはなれないのだ。変換しにくすぎだろ。森見登美彦といいこいつといい。
だからもうあれ、今日はいくらでも万城目学れるよ。いっそ大盤振る舞いで万城目学りましょか。
万城目学万城目学万城目学。
っていかん。調子に乗って連打したけど、たった3回で早くもゲシュタルト崩壊を起こしそうだ。なんちゅう名前なんだ。
さておふざけはここまでよ。あらすじ。
「神経衰弱」という理由で大学の研究室を一時追われることになった主人公。教授からその間奈良の女子高で非常勤講師をするように命ぜられた。
しかしこれまで教えた経験なんてないうえ、よりによって相手は全員女子高生。しかも就任早々野生的魚顔をした女生徒にやたら嫌われてしまい神経衰弱は悪化する一方に思われた。
それでもなんとかかんとか日々をこなしていけるようになったある日、なんと今度は街中でであったメス鹿に声をかけられてしまう。
しかも鹿はメスなのになぜかダンディなおっさん声だった。
彼の神経衰弱もここまでにいたってしまったのか。
さて、かの鹿いわく、主人公は鹿の「使い番」で、人類を守るために<サンカク>と呼ばれる何かを手に入れなければならないのだそうだ。そしてその<サンカク>がなければ大変なことになってしまうのだそうだ。
かくして物語はこの<サンカク>をめぐり、剣道大会あり甘酸っぱい雰囲気あり鹿ありポッキーありと展開していく。
神の使いとされる奈良の鹿、京都の狐、大阪の鼠と、日本の神々を巻き込んだ一見すると壮大そうで、実は読んだ感じまったく壮大感のないほのぼの系ファンタジー小説。
長めの長編だけど、なんやかやと楽しい1冊だった。
ところで心に残ったシーンが1つ。主人公が高校に就任した初日のシーンなのだけど、主人公は生徒の前に立つと「耳の端に血が集ま」り、チョークで文字を書いたら「右下に向かってしぼむように小さくなって」しまう。
そんな詳細がやけにリアルだと思った。万城目学って教員経験あったっけ?
実は僕もつい昨年(2010年)の春に女子大で教員デビューと主人公とほとんど同じ経験をしたばかりなのだ。それでなんだか、初めて教壇にたったときのあの頭の中真っ白のような、それでいて自分の右上のほうから覚めた目で自分を眺めているようなあのフワフワした感じをリアルに思い出してしまい、ひとしきり枕に顔をうずめて奇声を発しながらじたばたせざるをえなかった。
ほぼ拷問だぜ。うぐぐ。
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