笑える本を読もう! >
中島らもの小説【書評一覧】 > 水に似た感情
テレビ番組の撮影でバリ島へ行ったときの出来事を元に書かれた、半ノンフィクション小説。
らもさんは躁鬱病もちだったということなのだけど、この撮影でバリへ行った際に躁転してしまったのだという。その際の凄惨な様子はエッセイ『西方冗土』のあとがき(チチ松村、こっちも抱腹絶倒なので読むべき)に詳しい。
そしてこの小説の半分は、躁状態で書かれていたのだとか。らもさん自身があとがきで語っているけど、前半は躁状態で、後半は通常(つまり鬱)の状態で書かれているので、「この本はふたつに分断している」という印象がある。
ストーリーとしては、特になんちゃあない。チチ松村と中島らも自身をモデルとした主人公達がバリ島にロケに行くのだが、そこに用意されていたテレビクルーがダメでダメで。そんなテレビクルーの尻を蹴りながら、バリの神秘を回る…といったもの。
しかしなんちゃあないはずなんだけど、なぜか異常に面白いのがこの小説の魅力だ。
形容しがたい魅力に満ちた一冊。
『永遠も半ばを過ぎて』と並んで、らもさんの小説の中で最も好きな小説。おススメ。
PR
SHARE THIS!!! |
笑える本を読もう! >
中島らもの小説【書評一覧】 > お父さんのバックドロップ
|
作品名: お父さんのバックドロップ 作家名: 中島らも ジャンル: 短編集 笑:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ ス:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 中島らものその他の小説 |
悪役プロレスラー、へっぽこ落語家、負けず嫌いのペット狂、いたずらっ子、といったへんてこで愛らしいお父さんたちの物語が4話収録された短編集。
特に「お父さんのカッパ落語」と「お父さんのロックンロール」が良い。
「お父さんのカッパ落語」
落語家でいつもシャレばかり言っているがいつまでもうだつの上がらないお父さん。そんなお父さんにあるとき師匠から落語の世界から足を洗うよう言い渡される。そして最後のチャレンジとして新人賞に出場することにしたお父さんに、ある変化が表れる。
まるで物語自体が落語のような、笑える人情話。
「お父さんのロックンロール」
いたずらっ子のお父さんとしっかりもののその娘の攻防戦を描く。
娘の家庭訪問の日に、27歳で美人の担任がやってくることを知り、がぜん燃えるいたずらっ子のお父さん。一方でそんな変わり者の父と担任の先生をどうしても会わせたくない娘。
そして当日、案の定ロックンロールのふざけた格好をして先生を待ち受ける絶好調のお父さんだったが、そこには予想外の結末が。
そんな二人の攻防が、バカバカしくもあたたかくて笑える。
どの話もハートウォーミングで何度でも読みたくなる。小学生向けに書いたというが、大人でも、というか大人だからこそ楽しめる一冊だと思う。
なお、表題作「お父さんのバックドロップ」は宇梶剛士主演で映画化されている。ちょい役で中島らも本人も出ているので必見。あんまり笑える映画ではないけど。 |
SHARE THIS!!! |
Recommend
松尾スズキ (小説)
クワイエットルームにようこそ
中島らも (エッセイ)
中島らものたまらん人々
町田康 (エッセイ)
猫にかまけて
奥田英朗 (小説)
ララピポ
森見登美彦 (小説)
夜は短し歩けよ乙女
クワイエットルームにようこそ
中島らも (エッセイ)
中島らものたまらん人々
町田康 (エッセイ)
猫にかまけて
奥田英朗 (小説)
ララピポ
森見登美彦 (小説)
夜は短し歩けよ乙女
Sponsored Link