笑える本を読もう! >
清水義範の小説【書評一覧】 > バールのようなもの
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ニュースで耳にした「犯人はバールのようなもので…」のバールの「ような」の部分が気になって、「バールのようなもの」を探す。表題作「バールのようなもの」を含む短編小説集。
基本的にはユーモア小説だけど、たははと笑うことはあっても、声に出して大笑いする話は少ない。
ただし「豪奥新報元旦号第二部」は危険。
とある田舎の村、豪奥で出されている雑誌という体で描かれる。清水義範お得意の模倣(パスティーシュ)もの。豪奥における国際化に関する対談、豪奥出身のスターたちからの寄稿、姉妹都市からの手紙など、いかにも実際の地方紙にありそうな記事が模倣されている。
恐らく声を出して笑ってしまうことになるので乗り物等で読んだらダメ。どうしても移動中に読みたいなら、傍らに『試験対策のための他動詞マスター』みたいな、なんかよくわかんないけど、そういったつまらなそうな本を用意して危ないときに備えておいたほうが良い。万が一『試験対策~』まで面白かったら諦めて声を出して笑おう。
やはり清水義範はパスティーシュものが面白いです。
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清水義範の小説【書評一覧】 > 深夜の弁明
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表題作「深夜の弁明」を含む16話を収録したショートショート集。
著者があとがきでいっているように、内容は、スポーツ解説者や小説家の書く旅行記、新聞の投稿欄などを模倣(パスティーシュというものらしい)したものが多い。基本的にはブラックユーモアの部類で、へっへっへとかふっふっふと笑ってしまう類のもの。
たとえば表題作「深夜の弁明」なんかはいい例で、原稿を「落として」しまいそうな若手作家が、数時間後に迫りくる締め切りを前にただひたすら反省文を書く、といった話だった。
ブラックユーモアでニヤニヤしてしまうこと請け合いだ。ただし、仕事等で締め切りのある文章を書く機会がある人には、身につまされすぎてまったく笑えないかもしれないけど。
とまあ大方ニヤニヤ笑いがこの本の基本的なテンションなんだけど、ただし、「三流ライター養成講座」は例外。
雑誌の「ライター養成講座」のコーナーに寄せられた読者からの投稿と、それらに付いた担当者の批評、という体で描かれるのだけど、ボケとツッコミといった構図ができていてべらぼうに笑える。
悶絶する恐れがあるため、本屋で立ち読み、移動中の暇つぶしには不向きだ。要注意。
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