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大槻ケンヂのエッセイ【書評一覧】 > 人として軸がブレている
作品名: 人として軸がブレている 作家名: 大槻ケンヂ ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆★★★★★ ス:☆☆☆☆★★★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆★★★★ 大槻ケンヂその他のエッセイ |
僕が悶々サブカル少年であった八〇年代には、「こんなにもてないならいっそ女になってしまいたい」オッパイ見放題だから、という哀しいむなしい思考の流れがあった。
【書評・あらすじ】
筋肉少女帯のボーカリストにして、何者かよくわかんないけどなんかときどきテレビで見かける変わった風貌の中年、大槻ケンヂのエッセイ集。
初出は2008年ごろに書かれたもので、ちょうど筋少が長い活動「凍結」期間から復活した時期にあたる。
「X51・聖地シブコーは畳み敷き」では、こらまた何者かよくわかんないけどなんかときどきテレビで見かける変わった風貌の中年ローリー寺西率いる「すかんち」と合同で行った復活ライブの話なんかが出てくる。
その際、かつてミュージシャンの憧れだった会場「渋谷公会堂」が「渋谷C.C.レモンホール」になっちゃってたなんて話題があるが、実は僕、そのライブを見に行っていたのだ。
さて、本書の内容だけど、うーんなんというか…、一言でいえばとてもオーケンらしい一冊だった。
オーケンらしいとはつまり、「ムー」とかUMAとか、プロレスとかロックとかB級映画とか、やはりとにかく「いかにも何者かよくわかんないけどなんかときどきテレビで見かける変わった風貌の中年」らしい内容なのだ。
ミュージシャンでなければ本当にこの人何者なのかわからない。
元バービーボーイズの杏子が怪獣モケーレ・ムベンベに熱を上げなぜかイギリスにネッシーを探しに行ったなんて話をエッセイでアツく語られても…、いや、ちょっと面白いけど。
恐らく「サブカル」と言ってしまえばそうなのだけど、とにかくそういう趣向が好きか、そうでなければ僕のようによほどオーケンにリスペクトがなければあまりおススメはできない。
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大槻ケンヂのエッセイ【書評一覧】 > 綿いっぱいの愛を!
作品名: 綿いっぱいの愛を! 作家名: 大槻ケンヂ ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆★★★★★ ス:☆☆☆☆☆★★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆★★★★ 大槻ケンヂその他のエッセイ |
芝居は集団生活、お笑いは上下関係が基本だから大変、ラップは覚えるのが難しい。僕はさまざまな仕事を20代にやってみたけど、ボンクラの性分に一番合うのはやっぱロックだよ。何しろ昼まで寝てられる。
【書評・あらすじ】
久方ぶりの更新。いつぶりかと調べたら4月ぶりだった。確か今年の抱負に月2更新とか言ってたけど無理でした!いかんせん本読む暇と気力がないのだ。更新はこうして地味に続けるけど。
さて、久方ぶりの更新はオーケンのエッセイ。
オーケンが39歳ごろに連載されていたエッセイを集めたもので、筋肉少女帯脱退の混乱からやや立ち直り、特撮としてバリバリやっていた頃のようだ。話の中で中島らもの追悼の話題などもあるので、2004年ごろに連載されていたものと思われる。
なお、本のタイトルにもなっている「綿いっぱいの愛を」は特撮の楽曲のタイトルに用いられたものだが、以前当ブログでも紹介した短編集『ロコ思うままに』で小説化もしている。当時(今も?)オーケンは怪獣ブースカの人形を「家族として」溺愛するという気色の悪いことをしていたらしく、綿いっぱい=人形のことだ。
本全体の印象としては典型的な「オーケンの本」といったところ。格闘技とロックと下ネタで9割、あとの1割は『学研ムー』といった感じ。ファンだから読めたけど、そうでない人にはどうなのかな。よくわからん。
一番印象に残ったのは、筋少時代と特撮でキーボードを担当する奇人、三柴理(江戸蔵)のエピソードだ。なんでも高校時代にモテモテで人気者の同級生「かつのり君」からビリージョエルの曲のピアノ伴奏を頼まれたのだが、クラシック以外は音楽ではないという信念から、イントロの伴奏だけ弾いてステージから退座してしまったらしいのだ。でこの「かつのり君」というのがのちの高橋克典だったというのはなかなかよくできた話だと思う。
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