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野田秀樹のその他の本【書評一覧】 > 怪盗乱魔
沖田 六法全書は、その前ではにかむものです。
ダンカン はにかむ?
沖田 わたしがこれからしようと思っていることが全部禁じられているからです。
【書評・あらすじ】
「夢の遊民社」主宰、脚本家にして俳優、野田秀樹。
これまで彼のエッセイを紹介したことはあったが、野田秀樹を本業の演劇人として紹介するのは初めてのことだ。
「夢の遊民社」とは80年代に日本の演劇界に衝撃を与えまくった劇団で、意外なところでは爆笑問題の太田などに影響を与えた劇団だったりする。
とはいえ僕は演劇は門外漢なので、聞きかじったり読みかじったりした情報しか知らない。そんなわけで僕が読みかじった元の情報を引用するほうが、なまじっか僕が知っていることを述べるよりも、より「夢の遊民社」がいかなるグループだったかをうまく紹介することになるだろう。
以下は当ブログでも紹介した爆問太田の自伝『カラス』に述べられた一節である。
俺は、『夢の遊民社』って好きなんだけど、ヤツら(大学の同級生の劇団)はその完全なるコピーだったから。当時の流行りだったんだけど、ラストシーンにスモークをガンガンたいて、出演者の後ろからライトを浴びせて、その逆行の中で”これが、僕らの少年時代だ!”なんて言って終わるという。つまり、流行にのっかっただけの予定調和だったんです。これは80年代に流行った小劇場での演劇を揶揄した一節なんだけど、これを見ると、当時の「夢の遊民社」の影響力と、そしてその劇団がだいたいどんな感じの演劇を見せていたかがわかってもらえるだろう。
つまり、「スモークをガンガンたいて、出演者の後ろからライトを浴びせて、その逆行の中で”これが、僕らの少年時代だ!”」なんていう感じの、つまり、いわゆる「前衛的ですね」の一言意外いいようのない感じの演劇をやり始めたのが野田秀樹率いる「夢の遊民社」で、当時の小劇団がこぞってその演出をパクリまくるほどに影響力を持っていたのである。
今回紹介する『怪盗乱魔』もまた、そのご他聞にもれない作品であるといえるだろう。つまり「前衛的ですね」といってしまえばなんとなくわかったような顔ができるタイプの作品、という意味だ。
その証拠に、文庫の背表紙に書かれたブックデータでさえこんな調子なのだ。
「吉田松陰、イサドラ・ダンカン、新宿の母、アガサ・クリスティなどが入り乱れるリリックな爆笑世界。」
この説明を読んだこちらとしては、本の中身がどんな内容なのかさえ皆目見当もつかない上に、「リリックな爆笑世界」がなんなのかもさっぱりわからないのだ。
いったいなんなんだ「リリックな爆笑世界」。
しかし言ったほうは、こういっていればなんとなく「わかった顔」ができるという、そういった魔法を感じる解説だ。
しかしプロとして、そして本の紹介をするものとしては、こんないい加減なことを書いてはダメである。
そんなわけで、今回僕はこの書評で、この『怪盗乱魔』をできるだけ具体的で「前衛的」とか「リリック」などという言葉ではごまかさずに紹介しようと思う。
とはいえ、リアリズムを逸脱し、ストーリーも一貫性のある作品ではないため、この記事を読んでも「さっぱりわからない」と感じる人もいるかもしれない。
しかし僕は極めて作品に忠実にこの作品をまっとうに評するし、もしわからないのであれば、それはあなたが馬鹿なのか、それともこの本自体が「さっぱりわからない」かのどちらかである。少なくとも僕はわるくない。
さて、あらすじからいこう…。
※後記:
以下端的なあらすじと極めて論理的かつ文学研究に影響を及ぼしかねないほど斬新な評論が記載されておりましたが、紙面の都合により勝手ながら割愛させていただきます。あくまでも紙面の都合であり、管理人が書けなかっただとか力不足だったなどというわけではありません。まさかそんなはずはありません。
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